スキンケア・乳幼児の湿疹

子どもの皮膚は大人と比べとてもデリケートです!

皮膚の大切な役割の一つに、外部環境から体を守る「バリア機能」があります。

そして、このバリア機能を働かせるにあたって重要となる組織が、皮膚の一番外側に位置し、外部と触れ合っている「角層」です。

角層の厚みは大人でも約0.01〜0.03mmと薄く、子どもですと、さらにその半分~3分の1くらいしかありません。

また、角層の表面は皮膚を乾燥や刺激から保護する皮脂で覆われていますが、子どもの場合は成長段階によって、皮脂の分泌量がそれぞれ変化します。

皮膚の成り立ち

1. 新生児期生後~4週間まで

皮脂の分泌にかかわる内分泌の機能は未熟ながらも、母体から授かった物質の作用によって一時的に皮脂の分泌量が増えます。

2. 乳児期生後4週間~1年まで

生後2〜3ヶ月を過ぎた頃から、皮脂の分泌量は減少してきます。

3. 幼児期生後1年~6年まで

皮脂の分泌量が生涯で最も少なくなる時期にあたり、皮膚は乾燥しがちです。

4. 学童期生後6年~12年まで

思春期の変化が始まるとともに、皮脂の分泌も盛んになってきます。 皮膚バリアを整えることが大切

上表のように、子どもの皮膚は角層が薄く、また皮脂の分泌量が不安定なことから「バリア機能」がまだ安定しておらず、したがって些細なことで湿疹・皮膚炎が生じたり、細菌やウイルスに感染したりするなど、皮膚トラブルが生じやすい特徴をもっています。それだけに、しっかりとスキンケアをして皮膚バリアを整えることが、子どもの皮膚の健康を守るためには大切です。

保湿剤によるスキンケア

健康な肌には、前記のように角層による「バリア機能」が備わっており、水分の蒸発や外部からの刺激を阻止し、皮膚を守ってくれています。しかし、皮脂や天然保湿因子(NMF)、角質細胞間脂質(セラミド)など、皮膚内の水分を保つ物質が不足して皮膚がカサカサと乾燥した状態になると、角層が剥がれて隙間が生まれ、微生物や化学物質、紫外線、摩擦などによる刺激を容易に受けるようになってしまいます。ここで大切になってくるのが、保湿剤によるスキンケアです。

保湿剤は、皮膚の水分が逃げないように表面に膜をつくったり、皮膚に水分を与えたりしてくれます。ご自身のお肌に合った保湿剤を毎日塗って、皮膚の健康を守りましょう。

保湿剤の使用にあたっては、皮膚がやや湿っている時に塗るのが効果的なので、例えば入浴後5分以内に塗るのがお勧めです。また、保湿剤を塗る前に、化粧水などでお肌を軽く湿らせておくと、より保湿効果が得やすくなります。塗る際には、手のひら全体を使って、やさしく丁寧に広げるようにしましょう。お肌がしっとりするくらいまで塗るのが、大まかな塗布量の目安です。

乳幼児の湿疹

乳児期に起こる湿疹を総称して「乳児湿疹」と言い、原因には様々なものがあります。症状は、肌が赤くなる、小さい水ぶくれができる、うろこ状のかさぶたができるなどがあり、頬やひたいなどに現れやすく、お腹や背中など全身に広がることもあります。乾燥するタイプもあれば、ジクジク湿ったタイプもあります。乳児湿疹は生後2週間を過ぎた頃から現れ始め、1歳を迎える頃には治まるのがほとんどです。乳児湿疹とアトピー性皮膚炎とでは、原因は異なりますが、症状は似ています。

アトピー性皮膚炎については、アレルギー科のページにてご紹介していますので、そちらも併せてご覧ください。

アトピー性皮膚炎

乳幼児湿疹

乳児期に、皮脂腺の多い頭や額、擦れる部分を中心に黄色いフケが出たり、カサカサした紅斑ができたりする疾患です。乳児アトピーとの鑑別が困難なケースもあります。原因はまだ明らかになっていませんが、皮脂による刺激や、ヒトの毛包脂腺系に常在するマラセチアという真菌(カビ)が関与しているものと考えられています。小児では生後1ヶ月頃から皮脂の分泌が亢進しますが、この頃から乳児湿疹は発症し始め、ほお、額、耳の周辺などに赤いブツブツができてきます。しかし、6ヶ月頃からは次第に消えていきます。症状に気づいたら、まずは小児科を受診しましょう。

当院ではお子様のスキンケアや赤ちゃんの湿疹、アレルギーについても専門的に診療を行っています。 ご心配なことは遠慮なく何でもご相談ください。

汗疹(あせも)

あせも(汗疹)とは、汗をたくさんかいた後に、皮膚に細かい水ぶくれや湿疹が現れる皮膚疾患です。汗をかきやすい夏に多く、小児に発症しやすい疾患です。あせもは、赤い丘疹が生じて痒みや軽い痛みを伴うタイプや、小さな白っぽい水ぶくれができるタイプがあります。あせもの治療にあたっては、症状に応じてステロイド外用薬や抗生剤などを用います。あせもの再発を繰り返さないためには、通気性の良い服を着用し、汗が出たらシャワーで流すか、こまめに拭き取るように心掛けることが大切です。

伝染性膿痂疹(とびひ)

伝染性膿痂疹(とびひ)は皮膚への細菌感染により発症し、人から人へとうつる疾患です。掻きむしった手を介して、水ぶくれがあっという間に全身へと広がる様子が、火事の火の粉が飛び火する様子に似ているため、一般に「とびひ」と呼ばれます。とびひは、水ぶくれが生じるタイプと、かさぶたができるタイプの2種類があります。とびひの治療としては、皮膚の清潔とともに、必要に応じて抗菌薬(抗生物質)内服や、抗生剤の軟膏塗布を行います。とびひは、ひどくならないうちに治療を始めればより早く治せます。